ストチュウとは、
酢と焼酎と水を混ぜた手作りの自然農薬で、
家庭菜園をはじめ、農業でも広く使われています。
農薬と言っても殺虫効果はなく、
あくまでも病害虫の予防や忌避剤として
効果があるとされています。
材料の「酢と酎」がそのまま名前の由来で、
古くから広く愛用されてきました。
その効果を最大限に引き出すために、
EMをはじめ、ニンニク、トウガラシ、木酢液を追加した
「最強のEMストチュウ」の作り方をご紹介します。
ストチュウの効果
ストチュウは、市販されている殺虫剤や農薬のような効果はありませんが、主に2つの目的で利用されています。
病気の予防・改善効果
酢やアルコールには殺菌や消毒の効果があります。
それにより、ウドンコ病など、カビが原因の病気に対して予防や一部改善の効果もあるとされています。
害虫の忌避効果
ストチュウに含まれる酢・ニンニク・木酢液などの強い臭いには、ある程度の害虫が寄り付かない効果があるとされています。
殺虫効果はないので、その場にいる虫にかけたり、大量発生してしまったあとでは、あまり効果は得られません。
普段からこまめに散布しておくことで、虫がつくのを減らします。
今その場にいる虫への対策は、捕殺が基本となります。
EMストチュウ作りに必要なもの
1. 280mlの小さいペットボトル(2つ)
2. 焼酎(25度以上が好ましい)(100ml)
3. 酢(合成酢以外) (100ml)
4. おろしニンニク(少々)
5. トウガラシの輪切り(少々)
6. 木酢液(大さじ1杯)
7. EM活性液(230ml)
(代わりに水を入れれば通常のストチュウになります)
280mlの小さいペットボトル(2つ)
1つは酢と焼酎でニンニクとトウガラシをつけこむストチュウベース用、
もう1つは、それとEM活性液と木酢液を混ぜたストチュウ原液用の、
2つのペットボトルを準備します。

焼酎(25度以上が好ましい)(100ml)
焼酎の種類はなんでもかまいませんが、
アルコール度数の高い方がより良いです。
酢(100ml)
合成酢では効果がありません。
穀物酢、米酢、果実酢を使います。
おろしニンニク(少々)
ニンニクのエキスがより出た方が良いので、
生のニンニクを使う場合は、細かく切ったりすりおろします。
トウガラシの輪切り(少々)
トウガラシもエキスがより抽出されるために細かい方が良いです。
木酢液(大さじ1杯)
木酢液は、炭を作る際に出る水蒸気を冷やして液体にしたものです。
焚き火の煙のような強い臭いがします。
この臭いに参ってしまう人もいるかもしれませんが、
木酢液だけでも植物や土に良い効果があるとされているので、是非入れたいところです。

EM活性液(230ml)
EM菌の元であるEM1と、
そのエサである糖蜜と水を混ぜて、EM菌を増やした活性液です。
EMを使わない場合は、
代わりに水を入れることで
通常のストチュウを作ることができます。

EMストチュウの作り方
1. ストチュウベースを作る
・ニンニクとトウガラシをティーバッグに入れる
・酢と焼酎を半分ずつ入れてつけこむ
2. ストチュウ原液を作る
ストチュウベース(大さじ2)、
木酢液(大さじ1)、
EM活性液(230ml)を混ぜる
3. 水で500~1000倍に薄めて散布する
1. ストチュウベースを作る
おろしニンニク(少々)と
トウガラシの輪切り(少々)を
ティーバッグに入れ、
280mlのペットボトルに入れます。
タバスコを数滴入れるとさらに効果UPします。

そこに焼酎(25度以上が好ましい)と酢を半分ずつ入れます。
エキスを抽出するために、
できれば2か月以上
漬け込んだ方が良いのですが、
そもそも焼酎と酢だけでも効果はあるので、
混ぜてすぐ使い始めても
大丈夫です。
使ううちにだんだんとエキスが出てきます。
このストチュウベースはこのまま長期保存できます。

2. ストチュウ原液を作る
280mlのペットボトルに、
ストチュウベースを30ml(大さじ2杯)、
木酢液を15ml(大さじ1杯)入れ、
残りにEM活性液を入れて混ぜます。
EMを使わない場合は、EM活性液の代わりに水を入れれば通常のストチュウになります。

3. 水で薄めて散布する
スプレーナーにストチュウ原液を入れ、
水で薄めてスプレーします。
500~1000倍に薄めるので、
500mlのスプレーナーだと1ml~その半分、
ほんとにタラタラとちょっと入れるだけです。

EM活性液の有効期限は、長くても1ヵ月程度と言われているので、
本当は1ヵ月たったら作り替えます。
しかし、そもそも焼酎と酢だけでも、もともと効果はあるので、
私はかまわず使い続けています。
最強の効果を求める方はマメに作り替えてください。
EMストチュウの使い方
- ストチュウ原液を水で500~1000倍に薄めて、葉の表と裏にスプレーします。
- 散布後のEMストチュウの効果は5日~1週間程度。
雨が降ると流れてしまうので、また散布します。 - 害虫はたいてい葉の裏につきます。
葉の裏まで丁寧に、コマメに散布する習慣をつけることで病害虫の予防につながります。
たまにしか散布しなかったり、
病害虫の被害が出てからでは効果はありません。
以上、EMストチュウの作り方をご紹介しました。
無農薬栽培の害虫対策は、
基本的な「毎日の観察・捕殺」と、
この「ストチュウ」、
それと「防虫ネット」を組み合わせて応戦していきます。
先手先手で、元気な野菜を守りましょう!